イベント報告
京都府女性薬剤師会で行ないましたイベントについて、写真と共にその概要を紹介しています。
2023年度一般社団法人日本女性薬剤師会研修講座new!!
2024年3月10日(日)「2023年度一般社団法人日本女性薬剤師会研修講座 【薬剤師継続学習通信教育講座スクーリング特別公開講座】スクーリング講座」を開催しました。
京都府女性薬剤師会主催多職種研修会
2023年6月11日(日)京都府女性薬剤師会主催多職種研修会「フルタメソッド研修会ー広めよう!!褥瘡学会認定師の輪ー」を開催しました。
総会研修会「薬剤師がおこなう栄養指導」研修会
2022年5月29日(日)「薬剤師がおこなう栄養指導」研修会(Zoom研修会)を開催しました。
フルタメソッド褥瘡ケア実技研修会(ハイブリッド研修会)
京都府女性薬剤師会では 2021年6月13日 キャンパスプラザ京都にて開催しました。
共催:京都府女性薬剤師会・在宅DPCH会・上京薬剤師会・西京薬剤師会・乙訓薬剤師会・中京薬剤師会・下京南薬剤師会・伏見薬剤師会・亀岡市薬剤師会・マルホ株式会社
協賛:科研製薬株式会社・佐藤製薬株式会社・ニプロ株式会社・ハクゾウメディカル株式会社・スリーエムジャパン株式会社・アルケア株式会社・株式会社ベーテルプラス
- 「褥瘡は外用薬で治せる―肝心要は薬剤師の関わり」講演(ハイブリッド)
- 「褥瘡治療は基剤特性と使い方がポイント」 実技研修
講師 小林記念病院 褥瘡ケアセンター センター長 古田勝経先生
Web講演会参加者:138名、会場参加者:38名。フルタメソッド講演会と実技研修会は大きな反響がありました。 先生の見事な褥瘡治療の症例を目の当たりにさせて頂きました。 薬剤師の関わりが大事であること、基剤を学んでいるのは薬剤師だけであることを認識させていただきました。
実地研修会参加者のアンケート結果と感想を掲載いたします
アンケート集計 30枚
在宅経験 あり:21名 なし:9名
褥瘡講演会に参加されたことは 5回:1名 4回:1名 3回:2名 2回:1名 1回:15名 ない:10名
褥瘡実技研修会に参加されたことは 3回:1名 1回:7名 ない:22名
褥瘡治療に関わったことがある 11名
今後も実技研修会を実施するとしたら参加されますか 参加する:30名全員
褥瘡講演会について
良かったこと
- 古田先生が考え抜かれて経験されていることを、実際に教えて頂いたことを、本当に生かさなければもったいないとは思いますし、薬剤師の存在意義の話もあり、頑張らなければとも感じた。
- 基剤特性による水分コントロールで湿潤状態を調節する。
- 基剤を学んでいるのは薬剤師のみである。
- 古田先生の臨床経験に基づく動画がたくさんあり分かりやすかった。
- 高齢者の皮膚は移動する。テーピングなどで創を固定し、薬剤を滞留させる必要がある。
- 褥瘡は、薬剤師の関わり方で、患者様の治療効果があがること。
- 褥瘡は治せると明るい希望が見えたこと。外用基剤の選択の判断基準。
- 手足の切断という選択も、回避可能になり得ることがよく理解できた。
- 実際の映像を見せて頂き、短期間で治っていく様子が分かった。
理解できたこと
- 前回わからなかったポケット形成の方向がわかった。
- エキスパート・F・ブレンドの組成や活用方法。
- 薬剤滞留の重要性。
- 基剤の特性 基剤が重要 湿潤環境が大切であること。
- 薬剤師の関わりで、早くて安く褥瘡治療ができること。
- 抗生剤の服用より、外用で十分に対応でき効果が確実であること。
- 創の状態により、基剤を選び、創の改善につれて薬を順次変えていくことの重要性。
難しかったところ
- 臨床経過に応じての基剤変更の仕方。薬剤の使用順など。創の状態・評価。
- 創の固定。創の状態により薬を変更していくところ。
- 処置の仕方。基剤+主薬を考慮した実際の使い方。ポケットやピンホールに対する治療。
- 患部をみて評価、判断することは実症例をたくさん経験することと思いますが、それが一番のハードルです。
- 清浄化と感染制御。
- 水分量。基剤の選択。テーピング。
- 壊死組織を除去する方法。
仕事への活用
- 処方提案に役立てていきたい。
- 創部をみることを大切にしていきたい。
- 基剤ファーストの提案をしていきたい。
- まずは患者を知ることや、褥瘡にならないために、早期発見でリサーチしていかなければと思えました。
- 正しい情報提供(基剤の使い分け。ブレンド)のため更に学習したい。
その他
- 院内に褥瘡のラウンドチームがあり、薬剤師も参加しているのですが、基剤の特性も考えて仕事をしているのか聞いてみたいと思いました。
- イソジンシュガーは先発品とGEで滞留時間が違うことがわかった。
- 褥瘡治療に薬剤師が関わっていくことの重要性や意義を感じる講習会だった。
- 創部の湿潤環境に応じた基剤の選択、細胞外マトリックス複合体形成の話、非常に参考になります。臨床経過についてもスライドがあり、治癒までのイメージがしやすかったです。
褥瘡実技研修について
良かったこと
- 実際にポケットへの充填などを体験出来て貴重な研修になった。
- 基剤の比較(外観、粘調性、色)をあらためて確認できたこと。
- 皆で実技を通じて、基剤についての情報を交換できた。
- 軟膏の混和で状態が変わった事。
- 軟膏のブレンド 実際の手技 よくわかりました。
- 実際にスポンジの固さやフィルムの感触がわかった。
- 基剤の特性を実際に確認できた。
- 褥瘡モデルを使って実践できたこと。
理解できたこと
- 創面への適用の仕方が初めてよく分かった。
- ポケットへの充填方法。軟膏の調製方法。
- ヨードガーゼの扱い方。
- 洗浄のしかた。
- 薬剤の固さなど実感し、手技が行えた。
- ユーパスタ+デブリサンペーストの体験。
- 古田先生が各人の腕にテープを貼ってくださり、テーピング固定の仕方を、身をもって体験できたこと。
- 皮膚への負担を少なくするためのフィルムドレッシングテープの剥離方法。
- 保護およびエレバン(フィルムドレッシングテープ)の貼りかた、剥がし方。
難しかったところ
- ドレッシング剤の使い分け。
- 見ているのと実際にやってみるのは大きく違った。
仕事への活用
- 在宅でも患部をしっかり見たいと思う。
- フィルムの取扱い等、販売時にアドバイスができる。
- 患者様へのモニタリングにもアドバイスにも、大変有効活用できる。
- スクロードパスタがパリパリになったら攪拌して温めるとよいと知った。
- 薬剤の塗布等のアドバイスを、他職種に行っていきたい。
- 褥瘡治療に介入して、往診医と今日学んだことを共有したい。
- 対応する医院で皮膚科はあるが、そこまでの褥瘡があるのかなど知らないことが多く、積極的に聞いていきたいと思いました。
その他
- 非常に興味深いのはアンプタを言われた方の、壊死部位が治ったことに感銘を受けました。糖尿病性で足壊死とか起こした方とかいらっしゃいますので。
- 薬剤師に声がかかるよう多職種に積極的に働きかけたいと思います。
- ポケットのある褥瘡治療への介入経験は無いが、どのような思考をして治療にあたればいいのか、よく理解できました。貴重なご講演を有難うございました。
- 古田先生考案のマットレスが一般に購入できるのが待ち遠しいです。
- やはり講習だけでなく、実技講習を何度も経験し続けていくことが大事と思う。
質疑応答
Q:症例報告の治療効果は魔法のようでした。褥瘡を正確に把握し、正しく基剤、薬剤の選択ができればここまでできるという事が分かりました。どうやって勉強していけばいいでしょうか。
Ans:基本は単剤で行き詰まることのないように絶えず配慮することと、清浄化と感染制御 を常に心掛けることです。1回聞いてすべてを理解する事は難しいかもしれません。毎回参加される医療者も多くいます。コロナが終息すれば、回診見学も再開したいと思います。
Q:ドレッシング剤の使い分け モイストヒーリングについて 解説希望
Ans:基本のみの解説とします。必ずしも適度な湿潤環境にはならないことがあります。浸出液が多い場合は禁忌です。私個人としては、ハイドロコロイド、ポリウレタンファーム、キチンの3種類があれば十分と考えています。キチンは単独使用でも外用薬との併用でも使用できます。Ag含有のドレッシング剤は必要性が低いと感じています。
Q:ベスキチン使用に関して、他にどのように使用するか
Ans:FGFとの併用や創内固定、薬剤滞留以外には、止血作用がありますので出血を伴う創に使用します。
Q:ゲーベンクリーム単剤がよく処方されます。抗菌効果を期待しているのでしょうか。
Ans:ゲーベンクリームは抗菌作用をもつ銀と水分量が60%の基剤です。使用目的としては、乾いた創の壊死組織除去、上皮化が主になります。
Q:皮下出血された患者に保護用としてフィルムを貼付することは効果的ですか。
Ans:暗紫色変の皮膚にフィルムだけを被覆しても改善しないと思います。
Q:ヨードホルムガーゼは医師の処方が必要なのか、コストの算定はどうするのか。
Ans:1瓶に30×30cmのガーゼが15枚入っています。価格は5600円です。処置材料としての扱いです。薬価算定は出来ません。自費購入です。薬局によっては、1枚単位の分譲や、必要な大きさにカットするサービスをしている事例もあります。
Q:ブロメライン+ゲーベンクリームについて、ブロメラインのタンパク分解と吸水、ゲーベンクリームの感染制御と加水の効果を期待しての混合でよろしかったでしょうか。
Ans:この混合は浸出液が少ない場合、ブロメラインの吸水性基剤だけでは主薬の効果が得られないため、ゲーベンのO/W補水性基剤でブロメラインに水分を与え、酵素が効きやすい状態にすることで効果が発揮されます。ブロメラインは人によって過敏症を示すことがあり、接触した皮膚面がただれることがあるので、創周囲の皮膚にワセリンやステロイド軟膏をあらかじめ塗布し使用してください。
Q:ブロメライン+ゲーベンは混合後、配合変化を起こすとの事ですが混合後の使用期限をご教授願います。
Ans:確実な効果を期待するのであれば、用時調整です。どうしてもの場合は、その日のうちに使用する量を混合する程度にとどめていただくことをお勧めします。
Q:テーピングで皮膚のたるみを引っ張ると逆側(引っ張った側)に悪影響が出るのでは? テーピングを中止する時期などあるのでは?教えてほしい。
Ans:単純に皮膚を牽引すれば反対側にしわが出来ます。それでは意味がありませんから、しわが出来ないよう配慮します。それで問題が発生したことは一度もありません。テーピングをやめる時は、創が改善して外力の影響がないと判断した場合か、もしくは完治した時点です。ただし、再発を予防するために継続する事例もあります。
Q:壊死組織を除去するのは、どのような方法なのか。
Ans:壊死には固い黒色壊死や軟化した黄色壊死(一概には言えませんが)など様々ですが、壊死組織と健常組織との境に分界線を形成させて清浄化を始めます。外科的デブリードマンを行う場合でも同じです。分界線を形成させるためには水分量の多い外用薬で湿潤状態をつくり、壊死組織の辺縁を浮かすことでできます。形成されれば、外科的デブリードマンでも外用薬による化学的デブリードマンを継続することも可能です。(デブリードマンとは壊死組織除去の意味です)
Q:古田先生開発の床ずれ予防マットレスの製品名を教えてください。
Ans:世界最高レベルの体圧分散マットレスは「Ful-ism mattress」です。末期ガン患者、腰痛で起きられない患者でも使用して、活動できるようになりました。徘徊する認知症患者が臥床するようになりました。そのほか医療者がご自身で使用されています。発売元 DAIKIco.ltd
古田先生からお言葉をいただきました
処方せんを待つ身ではなく、積極的に飛び込んでいく姿勢が今の薬剤師には必要ですね。外用薬は、薬剤師に最も重要な薬剤です。 ケアマネージャーや医師、看護師に、薬剤師が褥瘡を学び協働して治療にあたる、それにより患者に貢献できることを訴えないといけません。 在宅協議会や医師会、訪問看護師会などに褥瘡を見せて頂けるように、働きかけをすることも必要かもしれません。
京都府女性薬剤師会 研修会 令和元年6月13日(日)
【多職種連携~地域包括ケアに求められる薬剤師とは~】
京都市西京区にある24時間365日対応の在宅療養支援診療所、終末期医療や看取りも行う「よしき往診クリニック」院長 守上佳樹先生のご講演でした。
当日、「在宅医療アンケート」も行いましたので、その結果も報告します。
また、今回、6月の日本女性薬剤師会の学術講演会ポスター発表でも同様の演題で発表しましたので、その一部を掲載します。
京都府女性薬剤師会 研修会 平成30年5月13日(日)
テーマ:【医療コミュニケーションのポイントとコツとは】
薬剤師として日々患者さんと接する時、コミュニケーションで悩むことがよくあります。この医療コミュニケーションのポイントとコツについて、「伝える」から「伝わる」コミュニケーションへの転換を、ユーモアをたっぷり交えた講演とロールプレイを通して学びました。大阪医科大学神経精神医学教室の臨床心理士、川端康雄先生の御講演です。
まず、ポイントとコツ
- その1:我々は思い込みを通してしか世界を理解することができないので、コミュニケーションにはコツが必要。
- その2:日本人はゆっくりと話す人に知性や信頼感を感じやすいので、話すときは焦らず、ゆっくりが丁度良い。
- その3:医療用語は変換困難な語が多いが、できるだけわかりやすい言葉で、ひらがな説明で行う。
- その4:内容理解は相手との関係性や文脈で大きく変化するので、関係性を悪くしないことが大切。
- その5:相手を押せば、押し返されるか逃げられるので、相手を押さず、ラポール(信頼関係)の形成を意識する。
- その6:コミュニケーションは「話す」よりも「聴く」トレーニングが必要。
それぞれのポイントとコツは、スライドや例、ものまねも交えて解説がありましたが、最後の「話す」「聴く」技能についてまとめてみました。
話す技能:話すことはキャッチボールと同じ。
- 相手はボールを取れる状態にあるかどうか?
- 相手はちゃんとボールをキャッチしたか?
- 取りやすいように、ボールの速さや投げ方を変えないといけない。
聴く技能:基本のabc
- 尋ね方:クローズ型質問とオープン型質問をうまくmix させて尋ねる。
- 態度・表情:アイコンタクトと頷きで傾聴。おうむ返しで共感を示す。
共感しているつもりでも伝わっていないことが多いので、ことばと態度で伝えることが重要。(相槌をうたず聞きたいことだけを聞いたり、おうむ返しや相槌のしすぎに注意) - 確認・要約:聞いたことをまとめて、聞き返す。
「つまり~」「なるほど~」「ということは~ですね」
さらに上級の聴き方は、相手の話を聞いて、大変だったんだなと思えば、「…で大変だったのですね」と確認する。
「話す」「聴く」技能のポイントとコツとして、
- 話の「まくら」に反応しないことが大切で、言いたいことはその後ろにある。
- 積極的傾聴(active listening)が必要。Q&Qテクニックを活用。(どうしてそう聞くかもう一度聞き返す。何か気になることはありませんか?)
- わかりやすく情報提供する。
- 話し出し方を変えてみる「何か困ることがあれば、お話をお聞かせ下さい。」
聴くことは、積極的な、表現する行動であるが、医療従事者が傾聴するためには普段からのストレス管理が大切であるとのこと。医療従事者のストレス管理の方法も伝授していただきました。
- 謙虚であれ。
- あるがままでよい。(できる範囲でやっていく)
- 何事もほどほどに。
- 腹を立てない。横に置こう。
- せかせかしない。
- 気を遣うより頭を使え。
- ひがまぬ、うらやましがらぬ。
- おおいに話す。
- 不要なことは忘れる。
- 感謝できる自分を作ろう。
何度でも聞きたい授業とは、こんな授業かもしれません。この、医療コミュニケーションのポイントとコツを、少しでも日々の業務や日常生活に役立てていきたいと思います。
(久保 雅代)
「健康サポート薬局」制度について考える
- 日時:2017年5月14日(日)
- 場所:キャンパスプラザ京都
- テーマ:「健康サポート薬局」制度について考える
①「かかりつけ薬剤師」に関するアンケートの結果報告 副会長 常木雅美
②「かかりつけ薬剤師」ゆう薬局グループの実情
ゆう薬局 山城北ブロック ブロック長 竹山秀一先生
南端ゆう薬局(宇治) 薬剤師 堀江朱美先生
①「かかりつけ薬剤師」に関するアンケートの結果報告(グラフ参照)
昨年の診療報酬改定で新たに始まった「かかりつけ薬剤師」制度について、昨年度2月のスクーリング時に行ったアンケート(69名の回答)では、⑥制度に対しての評価は「良い」は35%に留まり、⑦「かかりつけ薬剤師」の条件を満たしていない方は半数と多く、⑧「かかりつけ薬剤師指導料」を取っている人も半数で、その件数も1~5件から100件近い人まで、大きな差があった。また、⑩「かかりつけ薬剤師」に積極的になろうとしている人も24%と取り組みに温度差がみられた
自由に書いていただいた意見・感想の中には「24時間対応ができない」「患者様にお金をもらうのはおかしい」「かかりつけでなくても同じように患者様に対応すべき」「個人で算定せず、薬局全体で情報を共有すべき」という意見が多くみられた。
一方、「かかりつけ薬剤師になって患者様の健康をサポートしようとする意識が向上した。薬の重複、相互作用についても積極的に関わり、担当医師に連絡報告することが増えた」「地域医療で在宅するにしても患者のことを熟知している薬剤師は必要」というプラス面の感想もあり、様々な現状が浮かびあがってきた。
②京都府内で84店舗を展開しておられる「ゆう薬局グループ」竹山秀一ブロック長からは、「かかりつけ薬剤師の契約を交わしているが、複数の薬局を利用されている例が散見され、制度に対して患者からの理解が十分に得られていない、現場からも指導料算定への抵抗感が聞こえており、書類準備、説明、24時間対応など現場職員の負担が増加しているとの実情報告があった。
③一人で44名と契約しているという南端ゆう薬局の薬剤師堀江朱美先生の事例報告では、「最初はなかなか積極的になれなかったが、腸閉そくを察知して救急搬送することができたり、医師や看護師の方との連携で頼りにされた、悩みの相談に応じて解消したことで喜ばれた」ことから、だんだん必要性が認識でき気持ちが前向きになった。
「「かかりつけ薬剤師」のサインのあと、「心強いです」と言われ、安心感から飛ぶように喜んで帰られた」というお話や「「24時間対応」に関しては大変と尻込みするのではなく、患者様に対して、常に「寄り添う」姿勢を見せることで患者に安心感を与え、今までにかかってきたことは一度もなかった」「かかりつけにならなければよかったと思ったことはない」というお話には、地域で頼りにされるかかりつけ薬剤師ならではの役割の大きさを感じることができ感動した方が多く、今後の業務のよいヒントをいただいたという感想も聞けた。
今回のアンケートで出てきた問題点や研修会で聞いた話を参考にして、「健康サポート薬局」としての「かかりつけ薬局」が本来の目的である患者のためのものであるのか?薬剤師の本来の職能を発揮できる制度であるのかについて、今後も検討していきたいと思う。
京都府女性薬剤師会 総会と研修会
- 日時:2016年5月8日(日)
- 場所:キャンパスプラザ京都
- テーマ:「薬剤師の皆さん!今“町の科学者“としての薬剤師の登場が待たれているんですよ」
- 講師:上野和夫先生(大和郡山市薬剤師会事務長、薬局メールボックス、社会福祉士、介護支援専門員)
兎に角、前出しが長い、そしてそれで全部。
要は社会制度を知って、キャリアアップに励み、社会的に認められる人材になる努力を惜しむ勿れということ。
時代の流れは、治療から看取りまでを今までの病院完結型から、地域完結型に移ってきている。従って薬剤師たるもの、在宅ケアチームはもとより地域のサロンにも溶け込み、地域の健康づくりには科学者の目をもって積極的参加する時が来ている。そのためにはコミニュティワークを高めて、住民と一体になって実践する事。これがこれから頼られる薬剤師像である。そのためには人間の中身がもう少し変わらなければと思いました。
- 情報提供:「エクオールと女性の健康」
- 講師:守川亮氏(大塚製薬(株)京都支店 サプリメントアドバイザー)
エクオールとはエストロゲンに似た化学構造をもち大豆イソフラボンが腸内細菌によって代謝されてできる成分である。これはまた女性ホルモンに似た働きを有している事が明らかになり、加齢による心身の不安定状態「ゆらぎ期」(いわゆる更年期)の女性の健康と美容及び骨密度や体脂肪の改善にも有意であり、貢献が期待される。
ところが日本人でこれが体内で作れる人は2人に1人。食生活が欧米化した今日の若年層ではわずか2割というデータ。腸内にエクオール産生菌のいる人は、大豆イソフラボン中のダイゼインが腸内で代謝して作られるのに反して、ない人はダイゼインがそのまま体内吸収されてしまう。そこでこのどちらであるかを知るには(ソイチェック)、尿を郵送して調べてもらう方法がある。
ところがこの菌は腸内環境の変化に不安定で、通常の食生活では必ずしも十分量が生産され、足りていない。したがってエクオールを薬剤又はサプリとして摂る事が、有効であり安全性の確立もできているとのこと。
情報提供では研修点数の加算はないと聞きましたが、今回はこれがあって格好がつきました。メーカーの新しい話も聞きたい。自ら見下げないで欲しいものです。
「薬剤師の新しい役割」~カウンセリングと他職種協働~
- 日時:2014年5月18日(日)
- 場所:キャンパスプラザ京都
- テーマ:「薬剤師の新しい役割」~カウンセリングと他職種協働~
- 講師:奈倉道隆先生(医学博士・老年科医師・介護福祉士・東海学園大学名誉教授)
日本は明治になって、今まで培ってきた伝統医学をあっさりとかなぐり捨てて、西欧経由の近代医学一辺倒に切り替えたいきさつを、良くも悪しくも今日に引きずっていると言わねばなるまい。インド乃至は中国からの仏教伝来とともに流入した東洋の哲学思想に基づく宇宙観、人間観を軽視し排斥した結果だと言えなくもない。
「包括支援」「地域他職種協働」などと言葉は新しいが、なにも昔から普通に、生活者の立場で行なわれてきたことであり、巷の薬屋は寺の坊主やご近所の長老などと同じく、それなりに相談の中心にあったものを今更の感がある。此処に至って高学歴の筈の医師、薬剤師といえども、想定場面に対する一挙手一投足をカウンセリングのやり方と称するハウツーでもって教授しなければ、使い物にならないのが現実。文明の進化華々しい現代にあって、医療以前の問題に手をとられて、なかなか核心に至れない悲鳴にも似た嘆きを抑えての講演とうけとめました。
我々薬剤師は機械的人間観を捨て、専門家として指導的立場をとるのではなく、共存するネットワークの中の生活者の一員として、相談に乗れる話し相手としての必要な存在でありたい。この際、システム論(病院、薬局、分業など)や科学技術(臓器移植、生命創生など)はさほど重要とはならない。感性を磨き、聞く、聞く、聴く。
対等な立場での共感は相互に気付きを促す。その上での自己決定というようなカウンセリングをするならば、頼られる医療従事者としても存在感は大きく、話題提供・ヒューマンサービスは十分に、ポジティブヘルスへのケアの役割も果たすことが出来よう。
在宅医療Ⅱ
- 内容:「地域包括ケア時代の薬剤師の在宅医療」
- 講師:伊良知景子先生(ゆり・かな薬局)
- 日時:2013年5月19日(日)
- 会場:キャンパスプラザ京都2F第1会議室
2030年、これから15年先は1.8人が1人を支える時代といわれているが、もうきている県もある。机上の計算より速いのが日本の実状である。独居無理、老老無理でケア付き老人ホームへ、入居できるのは恵まれたかたという構図。
薬剤師のとるべき未来像として、去年までは「多職種連携」をうたっていたのだが、今やそれは当り前、「地域包括ケア」でなければ立ち往かなくなった。何処が違うのか?医師の一方的指示で皆が動くのではなく、各専門職が専門性を認め合い、顔の見える関係を保ちながら、情報を共有して在宅訪問を行なう。在宅患者にかかわるには、医療だけに止まることは出来ず療養生活、家族の介護生活をも看ることになる。その実動部隊の一員としての位置づけであることを自覚するなら、薬剤師も努力次第でチームリ-ダーともキーパーソンともなる事が可能になった。
薬供給の際に見える情報は他職種では得られない貴重なものであるので、提案し共有し反映さすことが大事。しかし行為が点数に結びつかない、それでも拘っていかねばならない。医療材料供給やバイタルサインのチェックも報酬と見合っていない。未だ退院前の担当者会議には出してもらえないことが多く退院後の導管栄養は同じものが薬品と食品の類別取扱いで混乱を来す。居宅療養管理指導でも使用枠と保険適用枠間で報酬損が生ずる。緩和ケア状態で在宅になった患者の対応では薬剤師の時間軸が看護師などの24時間体制でないため、麻薬管理の鍵、手渡し、廃棄処理などに関する損失も多い。このように数々の問題点を抱えながら賽は投げられたのである。
今までの日常生活が出来ない人をどう支えてあげられるか?「アリセプトが効かない」だけを診ていてもだめ。「認知症は治りません」が、情緒的安定はQOLの向上につながり、生きる力を引き出す。「病気は薬でなく人が治す」。その助人として家族に寄り添い支える薬剤師の有り様を今一度思いおこす時に来ている。
在宅医療における薬剤師の役割と今後の課題
- 内容:在宅医療における薬剤師の役割と今後の課題 ―他職種の一員としての関わり方―
- 講師:講師:伊地知 景子先生(薬剤師、ケアマネージャー)
ゆり・かな薬局開局、居宅支援事業所併設
介護認定委員、学校薬剤師、スポーツファーマシスト - 日時:2012年5月20日(日)
- 会場:キャンパスプラザ京都2F第Ⅰ会議室
昨年に引き続き高齢社会が避けて通れない問題として、在宅医療への薬剤師の関わり方―現状と課題について講演いただきました。10種の事例の紹介も、夫々の病状の有態を学ぶと同時に、人間の終末を見る深い感慨に浸らされました。
在宅薬剤管理指導は、全く新しい分野ではなく、今まで処方箋を持って来店されていた患者さんが、動けなくなって薬剤師の方が患家訪問するとみれば、医師の往診と何ら変わらない。服薬や医薬品の管理に難渋してきた家族や他職種スタッフには負担軽減であり、医薬品の安全性の向上には欠かせない方向である。又これで療養生活全般を見渡したきめ細かな働きかけも可能となる。
今や保険薬局は、在宅に意欲的な処方医との連携による居宅サービス計画への細々とした参入から、在宅専門薬局となり支援病院や診療所や看護訪問ステーション等との交流を積極的に行なった上で活動接点を増やし、サポート薬局をも含めた地域全体の在宅応需を面で支える時代であろう。
慢性疾患、認知症、ターミナル緩和ケアーなどの在宅患者の対応には、注射麻薬、高カロリー輸液、人口呼吸器使用の知識と手技がいる。必要とされ、意見の言える薬剤師に。
在宅介護における薬剤師の役割
- 内容:「在宅介護における薬剤師の役割」~高齢者社会で求められる薬剤師力~
- 講師:日下部美代子先生(薬剤師・ケアーマネージャー)
ミキ薬局開局 居宅支援事業所併設
介護保険審議会委員 元京都府薬剤師会理事 - 日時:2011年5月8日(日)
- 会場:キャンパスプラザ京都
・介護保険のしくみ
高齢者の「自立支援」と「尊厳保持」を基本理念に介護を社会で支える仕組みとして発足して10年、3年毎に手を加えて今日に至っている。40歳以上に義務付けられた加入者保険料と税金で賄われる国民共同連帯制度の一翼である。65歳以上の1号被保険者と40~65歳未満の特定疾患を持った2号患者において、自主申請し認定された者に対して段階に応じたサービスを設定している。介護予防サービスとして要支援1,2の窓口が地域包括支援センター、要介護サービスのそれは居宅支援事業所が主としてマネジメントするが、サービスの内容には訪問・通所・地域密着・短期入所・用具等あり利用できるステージが決められている。
・薬剤師のお仕事
介護保険利用者の訪問サービスの中の居宅療養管理指導として薬剤管理指導を行うとしているのであるが、訪問により見えてくる服薬の現状、生活状況からみた調剤方法の検討、病状の進行や介護者の実際など情報の提供者としての視点は専門職であるだけに優等であり、一方スキルを高めることにより、利用者に寄り添う心のサポーターとしての役割を果たせる場面は多いのではないか。
しかし現実はコミニュケーションの行き違いや、訪問スタッフの出入りの多さにわずらわしくなった利用者が、「薬剤師は要らない」と拒まれる現実もある。手間と時間、精神力の要るわりには割りの合わない仕事ということができる。しかしながら此処は、他職種医療スタッフとの信頼と連携をかちとり、社会的認知を得るまでは避けて通れない道程であろう。
ジェネリックについて二題、経済面・製剤面から講演をいただきました。
- 内容:「ジェネリックを考えよう」
- 講師:長岡俊広氏 / 森元恵子先生
- 日時:2010年5月23日(日)
- 会場:キャンパスプラザ京都2F第1会議室
高齢者の窓口(自己)負担が2~3割になる近未来を予測して処方箋調剤診療報酬改定の上昇に見合うジェネリックの普及を奨めているといえる。しかもその選択は患者自らの申し出に委ねる形である。長期調剤 、一包化加算の減額などの歩止めに威力がある。後発医薬品(GE)調剤体制加算を30%使うと17点の加算があり、GE調剤を積極的に対応している旨掲示し、処方箋の3割に相当していれば調剤患者全てに算定することが出来る。現今この体制を取っている調剤薬局は83%ある。それでも未だ在宅患者訪問薬剤管理指導料や退院時共同指導料の算定は普及していないようである。何が躊躇させる要因かということになると、やはり品質と安定供給の不安があるらしいことが判る。薬局選びは立地条件によっていて、サービスや応対を気にしている様子はない。「ジェネリック」を知ると希望されるし、その年代は高齢者より、若い人である。高齢者は服み慣れない物に変更する不安を持っていることに由来する普及率の低さがあるが、安くなる金額が判れば切り替える人があり、医療費抑制に寄与すると知ると希望する人が半数を超すというデータがある。
(日医工(株)京都営業所 MR・MPSチームコンサルタント 長岡俊広氏)
効力や安全性が実証されて先発薬と同等と認められた低価格の後発薬をジェネリックという。問題にされて10年を経ても、世界中で日本の普及率は格段に低い。特許が切れたら国民共有化できないのは日本だけである。まだまだ十分に理解されていない現実があると思われる。
新薬製剤は決して完成品ではなく、ジェネリックは医療用医薬品の中で新たに日進月歩、付加価値をつけ国民に貢献していると考える。価格の差は製造経費としては変わらないが、開発費の中の時間と経費が違うことによる。20~25年を経て特許が切れた時点で追加効能など入れた審査をうけて承認される。試験の中で、一般効能と安全性・毒性は反復されるが生物学的同等性試験が違うところである。ジェネリックの中に安い方法の全くの忠実コピー製剤と、高品質の付加価値型製剤がある。服用改善のために小型化・剤形変更・味の改良、安定性の向上のための添加物の変更、などの設計を実験室から実製造へうつす。
同等性とは、何を以って同じとするのか。個々の血中濃度でのバラツキをクロスオーバー法で行い、新ガイドラインの90%信頼区間で判定する。ロットによる品質管理を安定的高品質に製造するために、秤量から均質混合の管理、剤形化・包装時のカメラでの品質管理、溶出試験や分析試験を最終検査とする。
医薬品=化合物+製剤+適正使用情報
製品が医薬品となるためには適正使用情報が一番大事。ホームページを通じて十分に提供し利用し合う。心配される副作用は先発、後発製品とも違いはなくMRが対応し、クレームは財産としてお客様センターで対応している。日医工では緊急安全性情報のFAX送信システムも立ち上げた。
新薬製剤は決して完成品ではなく、ジェネリックこそ新たに付加価値をつけて、より完成品に近付いていることを再度強調したい。
(日医工(株)広島営業所 医薬品管理学術担当 本会理事 森元恵子先生)
薬になる動植物の話
- 内容:府民生薬健康教室「薬になる動植物の話」
- 講師:林輝明先生
- 日時:2009年7月5日(日)
- 会場:キャンパスプラザ京都2F第2会議室
食医は疫医(内科)と傷医(外科医)の上に位し、薬膳を処方し未病を治す。日常の食べ物こそ自然の良薬でなければならない。今や食物は、カロリーや栄養素よりも薬効即ち食効の考慮が大切。先生の講演を「駄洒落編」「耳寄り話編」「ミーハー話編」に分けて編集してみました。
1.だじゃれ
- その1 寿司屋で生姜がでなきゃーしょうがない
- その2 大根のピリ辛成分が中毒によい。だから当たらない役者を大根役者という。
- その3 納豆の92%が吸収される蛋白質――納得のいくたべものよ。
- その4 明眸皓歯の美人ランキングno.1秋田県、no.2山形県――そのわけは菊花と紅花の血液循環作用にあり。
- その5 坊主は大豆で長寿。
2.耳よりばなし
- その1 小豆の皮の部分はむくみや腹水をとる。
- その2 生姜は1型アレルギーに有効。
- その3 どんな椎茸も20分の天日干し必要、電気乾燥だから。血中のコレステロール除去と動脈硬化予防。
- その4 昆布と小豆で便秘防止。
- その5 サイエンスにも載った薬局のおやじ1号の記事(爪水虫は海鼠でバッチリ)
- その6 大蒜は中性脂肪とコレステロールを溶かす。
- その7 大豆サポニンと大蒜で高脂血症と肥満は激減。
- その8 たまねぎ、ながいも、血糖下げる。
- その9 お茶の抗菌力、ナメタラアカン。
- 最後 やはりこれからの高齢化社会に出番は人参。6年物を粉にして全部を食す。(高価な偽物に注意)老人ボケには実証済み。抗がん作用の拡大と転移を抑える。厚生省は認めないが、中国で許可。
3.ミーハーばなし
- その1 水谷八重子(今のじゃない)のドーラン落しにはあずき粉を入れた。
- その2 エノケンの脱疽、ミミズで緩解。冬場に痛い静脈瘤に有効。みみずは恐竜と共に棲息して今も生き残る動物。頭部1/3に成分あり。下熱は認めたが溶血栓は認めない。ペットの血栓には許可を出すコレナンダ。飲んで効く血栓溶解剤、ルンボルキナーゼ。高くて効かないウロキナーゼ使っていますよね。ランゲルハンス島の血流改善で糖尿病にも効く。
- その3 参茸は中国でクスリ屋の看板、人参と鹿の角は昔から看板商品。
面白いでしょ。ハヨ止めて、まだまだあるのよ!
日本新薬山科植物資料館見学
- 内容:薬剤原料植物から製品への道 館内庭園等解説見学
- 日時:2009年5月31日(日)
- 会場:日本新薬植物資料館
マクリで駆除していた回虫。確実な駆虫力のサントニンを自前で生産出来るようになるのに10年かかりましたが、日本から回虫は皆無になりました。生物に特許をつけない国が初めて出した特許1号はミブヨモギだったんですよ。捗らない株分けを種子で増やす、壬生から北海道に栽培地を移した理由です。ヨモギは砂漠状態を好む植物、京都盆地の多湿が種子の結実を妨げていたとか。
天産品から製剤へは、大量生産には向かないがそこに拘る。合成するには手間暇がかかるものは、植物の代謝にまかせて抽出、製剤するなど、利益と量産一辺倒でない良心的な企業を垣間見ました。
回虫を持っている間、日本人には花粉症がなかったという説について、虫との間で免疫的にバランスがとれていたからで、除菌しすぎた現代人は自己免疫疾患か、過剰反応としてのアレルギー疾患に陥るしかないといえる。生後6ヶ月までに二週間だけでも、糞塵の舞う環境におくと、大丈夫だとか。かといって回虫復活とも行かず、今後の研究課題。英国などでは既に研究は進んでいるとも。
秋田園長はじめ六班に区分けの案内スタッフの方々は、夫々に実にほのぼのとしてらして、得々と専門、得意分野について解説をつけてくださり、見学者全員ゆったりと円満な気持にさせて頂きました。何回来ても、何度見ても新鮮で、楽しく見学させてもらえる清々しい花園でした。本当にありがとうございました。
緩和医療について
- 内容:「緩和ケアに於けるホスピスの役割」
- 講師:川上 明先生(洛和会音羽記念病院 緩和ケア科)
- 日時:2009年5月10日(日)
- 会場:キャンパスプラザ京都2F第2会議室
緩和ケアの定義
緩和ケアとは生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、その疾患の早期より、痛みや身体的問題や、心理的社会的問題や、スピリチュアルな問題にかんして、きちんとした評価を行い、それが障害とならないように予防したり対処したりすることで、Quality of Lifeを改善するためのアプローチである。
ホスピスと一般病院の違い
肉体の病気を治すことを目的とする一般病院に対して、病状を緩和し精神的文化的社会的に生命を維持することを目指し日常生活を大切にするのがホスピスである。
緩和ケアホスピス
医療の好きな日本人、死は悪だとする現代人が医療を受けつつ、それを越えるものを目ざすところとして病院の中に生まれた部所。
死というものを医療者から市民のものへ取り戻せるか。
平和とか文化と叫んでいる間は満たされていないのと同様に、緩和、緩和と連呼している間は、なされていない。16年も同じ事を言い続けてきたが、今になって漸く緒に付いたところである。
医師をはじめ医療者と患者側の人間との意識の差は随分あることをアンケートなどから分かってきた。
一般病棟において緩和ケア科でしている様なケアがなされ、個別のホスピスなど減るのが本来のあり方だ。最後まで自己決定できる自由の維持が大切な論拠に「人生は飛行機に似て」で納得。
離陸(=誕生)、着陸(=死亡)が危険であって、水平飛行の人生途中は大事無い。着陸するとき機首はどこを向いているか?最後まで上向きである。こう歌った人は何故か飛行機でSterben。此れがわかる人はそこそこですね。 (文責 渡守)
府民生薬健康教室
- 内容:府民生薬健康教室 薬になる動植物の話~若さを保つたべもの
- 講師:林 輝明先生(薬学博士.中国長春中医学院名誉教授)
- 日時:2008年11月9日(日)
- 会場:キャンパスプラザ京都2F第2会議室
薬剤師(くすし)の任務は食効を忘れないこと。
投薬時には何を食べたら早く治せるかを付け加えること。
若さ保つ(生活習慣病を退ける)食べ物としては、毎日の食卓に載せる物がどうして大事かを説明されました。
高血圧を防ぐために、糖尿病を治すために、風邪かなと思ったときに、脳に良いもの、肥満をとめる、胸痛によいもの、等々復習して整理して実行あるのみ。
戦後復興に伴い日本人の食習慣は大幅に変化してしまい、アレルギー性の病などは冷蔵庫の過信にも原因がある。
酒の飲み方や、かゆみ止めローションの作り方、製薬会社と提携して製品化した薬のエピソードの数々を息つく暇なく語られ、見事にお徳情報満載でした。
また、可能ならシリーズで受けたい講義と言うのが大方の意見でした。
府民薬草教室
- 内容:府民薬草教室 ミブヨモギに纏わるお話・館内解説見学
- 日時:2008年10月19日(日)
- 会場:日本新薬山科植物資料館
日本新薬山科植物資料館見学記
ラベンダーの丘、富良野は昔、一面ミブヨモギだった「○」?「×」?
正解は○。最適栽培地だったそうですよ。(寒冷地がよく、京都の気候では難しい)
回虫駆除薬サントニンの原料植物シナヨモギを国産にして“ミブ(壬生は工場の場所)ヨモギ”その選抜育種で“山科2号”4倍体、5倍体、6倍体と品種改良して成分含量を高め、植物特許1号を取得したのに回虫がいなくなって需要ゼロで世に貢献しなかったのだとか。
特需はいつの時代にも一過性であります。